ストレスと歯周病には関係があるの?

ストレスは深刻な社会問題のひとつとして挙げられます。職場や家庭内における人間関係のもつれなど、ストレスを感じる原因はさまざまです。ストレスは心身ともに悪影響を及ぼしますが、実は歯周病が悪化する原因にもなりえます。
本コラムでは、ストレスが歯周病に与える影響や、歯の不調の原因、自律神経と歯周病の関係について詳しく解説いたします。ストレスをコントロールし、口腔内を健康的な状態に保ちましょう。
ストレスと歯周病の関係性|原因になる3つの理由
ストレスが歯周病の原因となる主な理由は、以下の3つです。
1. だ液の分泌減少が生じ、口腔内の衛生状況を悪化させる
2. 歯ぎしりが歯ぐきに負担をかけ、歯周病のリスクを高める
3. 自律神経の乱れにより、免疫力と睡眠の質を低下させる
だ液には口腔内を浄化する作用がありますが、ストレスを感じると自律神経が乱れ、だ液の分泌量が減少します。その結果、口腔内の衛生状態が悪化し、歯周病のリスクが高まります。
ストレスが影響し、無意識のうちに歯ぎしりをしてしまうことがあります。歯ぎしりによって歯ぐきに負担がかかり、歯周組織が損傷を受けると、歯周病が進行しやすくなります。
自立神経の乱れは、免疫力と睡眠の質を低下させる要因の一つです。免疫力が低下すると、歯周病の原因菌が繁殖しやすくなり、歯周病の発症・進行リスクが高まります。さらに、睡眠が浅くなると体力が低下し、歯周病への抵抗力も弱まります。
ストレスによる歯周病を予防する4つの方法
ストレスによる歯周病の予防には、以下の4つの方法が効果的です。
・ストレス解消法を取り入れ、リラックスできる時間を作る
・規則正しい生活習慣で、自律神経のバランスを整える
・正しい歯磨きと歯間ブラシの使用で、口腔内を清潔に保つ
・定期的な歯科検診で、歯周病の早期発見・早期治療を図る
自分に合ったストレス解消法を見つけ、日常生活に取り入れることが重要です。また、十分な睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動を心がけることで、ストレス耐性が高まります。歯周病予防には、正しい歯磨きと歯間ブラシの使用が大切であり、定期的な歯科検診で歯周病の早期発見・早期治療を図りましょう。
当院では、患者さまに適した歯周病対策のアドバイスをしています。お悩みやご相談がある方は、ぜひ一度ご来院ください。
Q1:ストレスが原因で起こる口腔内トラブルにはどのようなものがありますか?
A1:代表的なものとしましては、口内炎・舌の痛み・顎関節症(がくかんせつしょう)などがあります。それぞれの症状は歯周病と同様に、ストレスによって引き起こされる可能性があります。
Q2:歯周病のセルフチェック方法を教えてください。
A2:歯周病の代表的な症状には、歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯の知覚過敏などが挙げられます。また、歯ぐきの出血が続く場合や歯がグラグラする、歯と歯の間に隙間ができるなどの症状は、歯周病の重症化が疑われます。定期的に歯ぐきの状態をチェックし、症状が気になる場合は、早めに診察を受ける必要があります。
記事監修 医療法人松林歯科 院長 松林 忠敏

略歴
- 1987年
城西歯科大学卒業 歯科医師免許取得
- 1989年
スウェーデン・イエテボリ―大学内ブローネマルククリニックにてオッセオインテグレーション・インプラント・コース受講
- 1992年
千葉県習志野市にて開業
- 1996年
アメリカ・ボストン・シンポジウム参加
- 1996~1999年
ブローネマルクオッセオインテグレーションセンター東京(BOC)にて非常勤勤務
- 1997~2003年
アメリカ・サザンカリフォルニア・デンタル・セミナー参加
- 1998年
カナダ・マギール大学主催エステティック98参加
- 1998年12月
医療法人社団泰照会理事長に就任
- 1999~2003年
スウェーデン・ブローネマルクオッセオインテグレーションセンターにてセミナー参加
- 2004年
アメリカ・カリフォルニア州ロマリンダ大学医学部
分子生物遺伝子工学センター客員研究員として赴任 - 1992~2004年
医療法人社団泰照会理事長、コスモス歯科クリニック・津田沼南歯科両院院長歴任
- 2005年
東京都渋谷区にて松林歯科開院 現在、松林歯科院長