インプラント手術後のメンテナンス
インプラントは手術が終了しても、それで終わりではありません。むしろ、手術後のメンテナンスが非常に重要です。では、「メンテナンス」とは具体的に何をすればよいのでしょうか。一般的にメンテナンスは、日常的なケアに加えて、定期的な歯科医院への通院が挙げられます。本コラムでは、インプラント手術後におけるメンテナンスの重要性について解説いたします。
インプラントは手術後のメンテナンスが重要
インプラントは、手術が終了したあとも継続的にメンテナンスをする必要があります。
長期間使用できるインプラントでも、メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎を引き起し、脱落などの恐れがあります。インプラント周囲炎とは、細菌感染によってインプラントの周りの歯ぐきが炎症を起こす症状です。歯周病と同じく細菌感染が原因です。悪化すると歯を支える骨が溶け、インプラントの脱落につながります。その場合、再度インプラント手術をする必要があります。
インプラント周囲炎の予防や残存歯の保持には日々のお手入れが重要です。
歯ブラシやフロスなどを使用し、磨き残しのないようにしっかりとケアをするとともに定期通院で歯ぐきやインプラントの状態をチェックするメンテナンスを心がけましょう。
メンテナンスのほかに気をつけたいこと
インプラントを長持ちさせるには、メンテナンスのほか、喫煙、食生活などの生活習慣の見直しが必要です。
喫煙の習慣があると、歯周病やインプラント周囲炎のリスクが高くなります。また、インプラント手術では、インプラント体とあごの骨を結合させますが、喫煙する方は結合しにくくなる場合があります。
間食が多い、また食事の時間が不規則な食生活は、口腔内のケアが不十分になりやすいためご注意ください。
Q1:インプラント手術後はどのくらいのペースで定期通院すればよいですか?
A1:患者さまそれぞれの口腔内の状態により、定期通院に必要な間隔は変わります。歯科医師の指示に従ってください。特に問題がなければ3か月〜半年くらいのペースでの通院が一般的です。
Q2:インプラントは虫歯にならないと聞いたのですが、それでも定期通院が必要ですか?
A2:インプラント自体は人工物のため虫歯にはなりませんが、インプラント周囲の歯ぐきが炎症を起こし、インプラント周囲炎を発症する可能性があります。予防のためにも、定期的に通院が必要です。
記事監修 医療法人松林歯科 院長 松林 忠敏
略歴
- 1987年
城西歯科大学卒業 歯科医師免許取得
- 1989年
スウェーデン・イエテボリ―大学内ブローネマルククリニックにてオッセオインテグレーション・インプラント・コース受講
- 1992年
千葉県習志野市にて開業
- 1996年
アメリカ・ボストン・シンポジウム参加
- 1996~1999年
ブローネマルクオッセオインテグレーションセンター東京(BOC)にて非常勤勤務
- 1997~2003年
アメリカ・サザンカリフォルニア・デンタル・セミナー参加
- 1998年
カナダ・マギール大学主催エステティック98参加
- 1998年12月
医療法人社団泰照会理事長に就任
- 1999~2003年
スウェーデン・ブローネマルクオッセオインテグレーションセンターにてセミナー参加
- 2004年
アメリカ・カリフォルニア州ロマリンダ大学医学部
分子生物遺伝子工学センター客員研究員として赴任 - 1992~2004年
医療法人社団泰照会理事長、コスモス歯科クリニック・津田沼南歯科両院院長歴任
- 2005年
東京都渋谷区にて松林歯科開院 現在、松林歯科院長