オーラルフレイル予防に適するインプラント

高齢者など、身体的・社会的・精神的な機能が衰えた状態は「フレイル」と呼ばれます。
そのなかで、口腔内の機能が低下している状態が「オーラルフレイル」です。口腔機能は、食事や会話など日常生活と密接に関わり、対策せずに放置すると、全身の健康に悪影響を及ぼすと考えられています。
オーラルフレイルの予防には、実はインプラントが適していることをご存じでしょうか。本コラムでは、オーラルフレイルの具体的な内容やインプラントが予防・改善に適している理由を解説いたします。
オーラルフレイルを予防し、心身の健康を保つためにもご参考にしてください。
口腔機能が衰える「オーラルフレイル」とは
オーラルフレイルとは、口腔機能が衰えている状態を指します。食事のときに食べこぼしが多くなる、飲み込むときにむせることが多くなる、話すときの発音やろれつに問題があるなど、口腔機能全般が対象です。
特に噛む機能が低下すると、栄養面の不安だけでなく、認知症や寝たきりのリスクが高くなるとされています。しっかりと噛んで食事ができなくなると、口腔機能の問題はもちろん、全身の機能も低下する可能性があります。
また、話す機能が低下すると人との関わりが億劫になり、社会性にも影響します。このように、オーラルフレイルは、体全体の衰えを示す初期のサインであり、早期に対策を講じることが大切です。
予防にインプラントが適している理由
歯が失われた際の治療法には、義歯やブリッジなど複数の選択肢がありますが、オーラルフレイル予防の観点から特に有効とされるのがインプラントです。
インプラントはあごの骨に固定されるため、義歯やブリッジと比較して自分の歯に近い感覚で食事を楽しめる点が特徴です。食事とストレスの関係性は深く、しっかりと噛んで食べることによってストレスの軽減が可能です。
さらに、インプラント埋入後の食事は噛む力や味の感覚も自分の歯に近く、脳への刺激にもつながります。このような刺激は、認知機能の維持にも寄与すると考えられています。
また、インプラントは周囲の歯への影響が少ないというメリットもあります。こうした点から、歯を失った際には、インプラント治療による口腔機能維持がオーラルフレイル予防において高い効果を発揮するといえるでしょう。
Q1:インプラントは何歳までできますか?
A1:インプラント手術は、あごの骨に直接インプラント体を埋め込む手術です。そのため、年齢よりもあごの骨量が重要です。当院では口腔内を精密に検査し、治療を計画します。不安な点はお気軽にご相談ください。
Q2:インプラントは治療費が高額になるのではないでしょうか?
A2:インプラントは自費診療となり、費用は高額になりますが、将来的なメリットからインプラントをおすすめしております。クレジットカードやデンタルローンもご利用いただけるため、スタッフまでご相談ください。
記事監修 医療法人松林歯科 院長 松林 忠敏

略歴
- 1987年
城西歯科大学卒業 歯科医師免許取得
- 1989年
スウェーデン・イエテボリ―大学内ブローネマルククリニックにてオッセオインテグレーション・インプラント・コース受講
- 1992年
千葉県習志野市にて開業
- 1996年
アメリカ・ボストン・シンポジウム参加
- 1996~1999年
ブローネマルクオッセオインテグレーションセンター東京(BOC)にて非常勤勤務
- 1997~2003年
アメリカ・サザンカリフォルニア・デンタル・セミナー参加
- 1998年
カナダ・マギール大学主催エステティック98参加
- 1998年12月
医療法人社団泰照会理事長に就任
- 1999~2003年
スウェーデン・ブローネマルクオッセオインテグレーションセンターにてセミナー参加
- 2004年
アメリカ・カリフォルニア州ロマリンダ大学医学部
分子生物遺伝子工学センター客員研究員として赴任 - 1992~2004年
医療法人社団泰照会理事長、コスモス歯科クリニック・津田沼南歯科両院院長歴任
- 2005年
東京都渋谷区にて松林歯科開院 現在、松林歯科院長