歯周病の原因となるプラークや生活習慣について

歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)や生活習慣にあることをご存じでしょうか?進行すると歯を失うことにも繋がるため、早めの対処が必要です。
本コラムでは、歯周病の原因と予防のためのセルフケアについて解説いたします。
歯周病の主な原因は、プラークと呼ばれる粘着性の汚れです。歯ぐきと歯の間に溜まるプラークには多くの細菌が存在します。細菌の発する毒素により歯ぐきが炎症を起こし歯周病になります。
歯ぐきの炎症が広がると、やがて歯を支える骨にも影響します。骨にまで影響が及ぶと、歯が動揺し始め、最終的には歯が抜け落ちることがあります。
また、生活習慣や基礎疾患が原因の場合もあります。
喫煙は、歯ぐきの血流を悪化させ、歯周病のリスクを高めます。喫煙者は非喫煙者と比較し、約3倍以上歯周病にかかりやすいとされています。
プラークは糖分を栄養にして増殖します。甘いものを過剰に摂取し、セルフケアを怠ると歯周病のリスクが高くなります。糖分の摂り過ぎは虫歯だけでなく歯周病にも関係するという研究結果があります。糖尿病などの基礎疾患を抱えていると免疫機能が低下し、歯周病の症状も進行します。
歯周病予防のためのセルフケア
歯周病の原因はプラークです。磨き残しがあるとプラーク形成の原因となるため、毎日しっかりとブラッシングしましょう。
歯ブラシだけでなく、フロスもセルフケアに取り入れ、すき間に残りがちな汚れを取り除くと予防効果が高まります。また、歯周病予防には禁煙や食生活の改善も効果があるため、生活習慣の見直しも重要です。
しかし、セルフケアだけでは限界があります。そこで定期的に歯科医院でクリーニングし、蓄積した歯垢や歯石を取り除きましょう。
当院ではクリーニングに加え、ブラッシングの正しい仕方などセルフケアの指導をしています。自宅と歯科医院でのケアを組み合わせて効果的な歯周病予防を目指しましょう。
Q1:歯周病が原因で病気になる場合はありますか?
A1:近年の研究で歯周病菌が全身に広がり、さまざまな病気の原因になることが判明しました。動脈硬化を引き起こす恐れがあるため、脳梗塞や心筋梗塞などを発症する可能性があります。
Q2:歯並びと歯周病は関係ありますか?
A2:歯並びが悪いと、どうしても磨き残しが多くなります。そのため、歯周病のリスクは高いといえます。歯科医院で磨き残しが多い部分を確認し、より丁寧なケアで歯周病を予防しましょう。
記事監修 医療法人松林歯科 院長 松林 忠敏

略歴
- 1987年
城西歯科大学卒業 歯科医師免許取得
- 1989年
スウェーデン・イエテボリ―大学内ブローネマルククリニックにてオッセオインテグレーション・インプラント・コース受講
- 1992年
千葉県習志野市にて開業
- 1996年
アメリカ・ボストン・シンポジウム参加
- 1996~1999年
ブローネマルクオッセオインテグレーションセンター東京(BOC)にて非常勤勤務
- 1997~2003年
アメリカ・サザンカリフォルニア・デンタル・セミナー参加
- 1998年
カナダ・マギール大学主催エステティック98参加
- 1998年12月
医療法人社団泰照会理事長に就任
- 1999~2003年
スウェーデン・ブローネマルクオッセオインテグレーションセンターにてセミナー参加
- 2004年
アメリカ・カリフォルニア州ロマリンダ大学医学部
分子生物遺伝子工学センター客員研究員として赴任 - 1992~2004年
医療法人社団泰照会理事長、コスモス歯科クリニック・津田沼南歯科両院院長歴任
- 2005年
東京都渋谷区にて松林歯科開院 現在、松林歯科院長